ジャンクの12弦アコギ その後 春日楽器 Silver Mellow Tone w-13

ジャンクで購入した12弦のアコギのその後です。購入の経緯は前回の記事をどうぞ。

入手当初は欠品しているパーツを補充したら適当に磨いて弦を張ってしまえと思っていたのですが、手に取って彼方此方眺めているうちにフレットが気になってしまいました。

ご覧の通りだいぶ減っていて山も削れています。ゼロフレットは錆びて浮いてる始末。
この状態で弦を張って弾いたところで、楽しそうかと想像すると決して楽しくはないんだろうなぁ。

ということでリフレットしてみることに。

リフレット=フレットの打ち替えはなんだか大がかりな作業だし難しそうなのでずっと敬遠していたのですが、最初は失敗したとしても何度かチャレンジしていればいつかは上手に出来るようになるかもしれません。
なので今回の12弦や、同時期に550円で購入したVisionのレスポールには練習台になってもらおうかと。

リフレットの詳しい作業手順はYoutubeで検索するとプロのリペアマンさんなどがUPされています。私もそれらの動画を何本も見て予習してから望みました。
ですので当記事内での詳細な説明はありません。簡単な過程と使用した道具、その感想くらいに留めておきます。

リフレットの工程

1.古いフレットを引っこ抜く

まずは古いフレットを引っこ抜いていきます。
引っこ抜くのに使用した道具はこちら。

商品名はフレットカッターとなっています。もちろんニッケルスチールフレットをカットする用途にも使えるのですが、メインの用途はフレット抜き。

左側の喰い切りは我が家にずっと昔からある喰い切り、右側が今回使用したホスコのフレットカッターです。

ご覧いただけば刃の薄さが一目瞭然で、ホスコのこの薄い刃がフレットを抜くのに最適です。
以降に紹介する他の工具ではもっとお安い代用品で何とかなるかもしれませんが、フレット抜きに使用する喰い切りだけはこの専用品をお勧めします。
私も当初は予算をケチって左側の喰い切りを使うつもりだったのですが早々に諦めました。

2.指板を削る

左側が指板を削る前、右側が削った後。13フレットの指板が酷いことになっていますがこれは後ほど修正しました。

フレットを抜いた後にネックを真っ直ぐにした状態で指板の減り(反り)を測り、必要であれば指板を削って平らにします。
指板の状態によっては必要のない作業かもしれませんが、今回のように古いギターで指板が痩せている場合には必須な作業なんだと思います。

指板を削るときは指板のラジアスに合わせて削らないと失敗します。平らなヤスリで真っ平らに削ってしまうとアウト。なので専用の道具を使います。

今回のアコギは10Rと12Rの中間くらいのラジアスだったのでこのサイズを使いましたが、フェンダー系の7.5Rとか9.5Rや早弾き系の14Rや16Rの指板の場合はそれに適したサイズを選ぶ必要があります。

このブロックに紙やすりを貼り付けて慎重に削りました。

3.フレット溝の掃除

指板を削ることでフレット溝に削りカスが溜まります。指板を削らなくても多少の木屑が残っているはず。これをそのままにして新しいフレットを打ち込むと収まりが悪くなります。なのでフレット溝を掃除するんだそうです。

今回は専用ツールを用意しましたが、フレット溝に合うのであれば他の道具でも良さそうです。ただしサイズが異なるとフレット溝を拡げてしまい取り返しが付かなくなるので道具は慎重に選びたいところ。

4.フレットの打ち込み

新しいフレットを打ち込んでいきます。今回のギターはバインディングがあるのでちょっと面倒でした。
使用したフレットはJESCARの#55090、いわゆるミディアムジャンボです。ゼロフレットだけステンレス製にしてみました。打ち込みに使ったハンマーは100均のプラスチック&ゴムハンマーです。

5.フレット摺り合わせとフレットエンド・クラウンの処理

フレットを打ち込んだら指板にマスキングテープを貼って摺り合わせとエンド・クラウンの処理をします。

摺り合わせに使用したのはこのレベリングファイル。真っ直ぐに削れるのであれば別の道具でも構いません。

フレットエンドとクラウンを削るのにはこのツールを使いました。エンド(端)とクラウン(山)のどちらにも使えるのでとても便利。

その他のメンテ作業

リフレットを終えたら指板のメンテとしてオイルを塗布。

ナットをお馴染みのTUSQに変えてみました。弦間以外はサイズが異なるので削って調整。弦間さえ合ってればどうにかなるものです。

ペグが足りなかったのでAmazonで安いペグを購入してみました。

お値段がお値段なのでトルクがバラバラですが、使えないことはないのでこれでいいや。

弦はアーニーボールの09-46にしました。ナットもエレキ用なのでこの細弦がマッチするんじゃないかと。

最後に

初めてのリフレットでしたが、まぁ大変ですな。
私の場合は性格的に「キッチリしていない」ところがあるんですね。適当で済ませてしまえるし安易に妥協しますし。なので最後までやり終えられましたが、性格的にキッチリしている人がこの作業をするともっと大変なんだろうなぁと思います。

自分のギターだからこそ「次はもっとうまく出来るように頑張ろう」と思えますが、他人のギターのリフレットを頼まれたら全力で断りますな。金を貰ってもやらない、というか金なんて貰ったら責任が生じてしまうので、「最悪ぶっ壊れてもいいなら」と言う条件をのんでくれるのであれば検討、、、

やっぱイヤだなぁ。

ともあれ、リフレットに必要な道具は揃いました。拙いながらも経験も出来ました。
なのでこれまでは購入を諦めていたフレット周りに問題を抱えるジャンクギターも積極的に購入できそうな気がしています。

まずは以前から目を付けている日本製のFGZかな。あれもう少し安くならないかなぁ。

今回使用した道具類

サウンドハウスでも購入できます。

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