マグナシリーズのフレットを磨いてみる

ぼちぼちと進めているアリアプロ2 マグナシリーズのメンテナンスですが、今回は懸案のフレットです。

摺り合わせが必要」などと言ってはみましたが、恥ずかしながら摺り合わせって作業は過去2回しか経験がありません。その過去2回でさえもお世辞にも上手に出来たわけではありませんで、「やらない方が良かったんじゃ」と思える出来映えでした。

きちんとしたリペアショップに依頼すれば1万円前後の料金がかかる作業ですから、素人が必要な道具も揃えずに気軽にできるものではありません。それを重々承知の上でチャレンジしてはみたものの見事に玉砕した次第です。

素人がやるとフレットの高さを均一に揃えようとするあまり、無駄に削りすぎてフレットがどんどん低くなってしまうのよね。
いい加減で適当な性格の私がやってもそうなんだから几帳面でまじめな性格の人がやったらどうなるんだか。

というわけで、今回は悩んだ末に摺り合わせは行わず、フレットの簡単な整形と磨き上げでお茶を濁すことにしました。一度も弾くことなくフレットがダメになって部品取りじゃギターが可哀相ですし。

使わなかったものもあります

用意したのは画像の通り。マスキングテープ、空研ぎヤスリ、スポンジヤスリ、コンパウンドです。コンパウンド以外は100均でも揃うものばかり。

フレット磨きだけなら細かいサンドペーパーとピカールなどの液体金属磨きがあれば出来てしまいます。
今回はフレットの山を軽く成形したいので荒目のスポンジヤスリも用意しましたが、本来であればフレットクラウンファイルと呼ばれる専用のツールを使うことが推奨されます。
手磨きで形を整えるなんてまぁ無理よ、と経験者は語ります。


HOSCO フレットクラウンファイル


これ欲しいんだけどねぇ。あれば便利なのは分かるんだけど、買ったところで次はいつ摺り合わせをするのかと考えると無駄な買い物になりそうで手が出ない。
弾きもしない安ギターは後先考えずに買っちまうのに、使うと分かってる道具をケチるんだからダメだよね。

ちなみにもっと安いノーブランドのモノがヤフオクとかメルカリとか色々なところで売られていますけど、あれはどうなんだろうね。使ったことないので批評は出来ませんが、こういう道具・工具ってのは「一度使えればいいでしょ」という使い捨てでは困ってしまいます。

指板掃除したのにまだ汚いな

作業前のフレットの状態がこんな感じ。弦跡による凹みはそれほどではないものの山の頂点が無くなって平らになっているので、僅かでもいいので山になるように整形したいです。
ただし、中央の頂点に当たる部分を削って高さを変えてしまうと元も子もないのでそこだけ気をつけます。

進めるごとに一カ所ずつ貼っていく派と最初に全部貼る派がいますが私は後者

指板をマスキングテープで保護します。今回はちょっと荒目のヤスリをかけるので2重に貼りましたが磨くだけなら1枚貼れば十分です。

マスキングテープは幅が普通の物と細い物と2種類あると12フレット以降に貼るのが楽です。
私はデザインナイフを使って切り貼りしちゃってます。デザインナイフは細かい作業が出来るので1本あると便利です。

今回は磨く前に削りますのでフレットの表面を油性マジックで塗っていきます。
このマジックが中央に細い線上に残るように削っていければベストなんですが、手作業ではそう上手くはいきません。なので削りすぎないように。特に中央部を削って高さが変わってしまわないように気をつけるための目印としてのマジックです。

せっかちなので60番から始めます。60番なんて大根おろしが出来そうな荒さなので軽く一往復するだけでガリガリ削れてしまいます。うっかり手を滑らせたらフレットが丸ごと削れて無くなりそうで怖いのなんの。それくらいガリガリ削れてしまいます。

60番で付いた傷を120番で消して、120番で付いた傷を240番で消して、といった感じで磨いていって360番まで進んだ時点の状態が上の画像です。
中央部にマジックを残して両脇だけを少しずつ削っていった感じです。

更に800番、1000番と目を細かくしていって2000番で磨き終わった状態が上の画像です。
2000番まで細かくなると「削る」というより「磨く」感じになるのでこの段階で中央部のマジックは軽く磨いて消しています。

2000番でも表面に傷が残っているのが分かるので液体コンパウンドで磨きます。
番手で言うと3000番→7500番→9500番の順。
コンパウンドは楽器用にも販売してますがフレットを磨くならカー用品売り場で売っている物の方が量が多くてコスパがいいです。
もちろんピカールでもいいです。(ピカールは番手で言うと4000番くらいだそうです)

この作業を1フレットから22フレットまでコツコツと磨いて終了です。
頂点を削らずに、フレットの高さを変えずに作業できたのかどうかは目視では分かりません。弦を張ってみてビビるかどうか、詰まったりしないかどうかでの判断となりますのでもうしばらく後になって判明します。

コンパウンドを用意したついでにヘッドも磨いてみました。

Before
After

う~ん、艶は出たけど小傷は消えてないです。ヘッドで上手くいったらボディもコンパウンドだけで済むかなと思ったのですが虫が良すぎたようです。
ボディもサンドペーパーで水研ぎしないと綺麗にならなそうだな。

分解清掃したペグとリテーナーを取り付ければネックのメンテナンスは終了、次はボディ側のメンテに取りかかります。

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