OCERGのペグを探してみる

そろそろ手を付け始めたくてウズウズしているOCERGギターですが、メンテに必要なパーツの確保がまだなのでいまは我慢の状況。
その必要なパーツの一つがペグ。

OCERGのペグはカバードタイプ、亀ペグとか亀の甲ペグなんて呼ばれる、古い安ギターによく付いていたヤツです。
これはこれで趣があって好きなのですが、6個中2つのペグがツマミ(ボタン)が外れている状態。これでは弦が巻けません。

ということで6個セットの中古をヤフオクで調達してみました。安く出品して頂いてありがとうございます。(アマゾンのGOTOHは諦めました)

左側がOCERGオリジナルのペグ。ご覧の通りペグボタンがありません。
右側は今回調達した中古ペグです。
(以降の画像も全て左側がOCERGです)

外観を見る限りではほとんど違いがありません。ペグボタンの形状くらいでしょうか。

カバーの形状も同じです。OCERGの方がビスが通る穴が大きくてちょっと錆が浮いているくらいの違いです。

ところが、心臓部と言える中身を見てみると結構な違いがあります。
ツマミから連なるシャフトの太さとかウォームギア部分なんかにも僅かな寸法差があるのですが、一番の違いは精度。

これがOCERG。ウォームホイール(円形のギア)の歯の枚数が15枚です。ということはギア比は1:15です。
ペグの弦を通す穴が1回転するのにツマミ(ボタン)を15回転させる必要があります。

こちらの歯の枚数は14枚なのでギア比は1:14。
OCERGよりも1回少ない回転数でペグシャフトが回ることになります。
たった1回ですが、この1回でチューニングの精度が変わってきます。
ましてやロトマチックよりもチューニングが合わせにくいカバードタイプですからこの1回には拘りたいところです。

もう一つはこの部分。ペグシャフトとウォームホイールの噛み合わせなんですが、左側と右側でどちらがガッチリ噛み合わさるかは一目瞭然。

バラす際も右側が軽くスポッと抜けるのに対して、左側は外すのが大変。エアコンの無い部屋で汗だくになって格闘すること約5分。1個外すのに5分×6個で30分。やっとのことで外れました。

こんな感じでOCERGオリジナルのペグと今回入手したペグでは機械としての精度が段違いです。
さすがは昔のグレコ。腐ってもグレコ(腐ってませんが)。安いギターでも要所要所は手を抜きません。(最近のグレコはどうなのか知りませんが)

欠品しているのはペグボタンだけなので、上手いこと部品を組み合わせて精度を保ったままニコイチでボタンを移植できないかしら?

と、アレコレと組み合わせてみましたが、やはり各所のサイズも僅かに(0.1mmとかそういう世界)異なるようでシックリいきません。

と言うわけで困ってしまいました。
今回入手した中古ペグはまたいつか役立たせるとして、OCERGペグを活かせるような方法を考えたいと思います。
せっかく安く入手したギターもこうやってお金をかけて直していくウチに「なんか高く付いたな」となってしまうんですよねぇ。

2020/07/21 追記

作業を終えてから思いついたアイディアを翌朝早起きして試してみました。

思いついてしまえば簡単なことで、ペグボタンだけを引っこ抜いて付け替えてしまえばいいじゃん!
ということです。

とりあえずOCERGのペグからペグボタンだけを引っこ抜いてみようと試みますが、これがなかなか抜けません。というか微動だにしません。
すでにボタンが外れているペグの状態を観察するからに、ネジのような物で止まっているわけでは無くただ差し込んであるだけのはずなのですが、力を込めてひっぱてもピクリとも動かない。

ストラトなんかのPUセレクタスイッチのノブって外れにくいときがあるじゃない?ただ差し込んであるだけなのに全く動かないときがある。
あれと同じ状態です。

ペグをベンチバイス(万力)に固定してからボタンにプライヤを噛ませてテコの原理で少しずつチカラを加えてやっと外れました。
傷が付かないようにウエスを挟んでいましたが無意味。ペグボタンは傷だらけです。

朝っぱらからヒーコラ言いながら4つのボタンを外しました。
帰宅してから調達した中古ペグのボタンを外してみようと思いますが、果たして無事に外れるのか。こっちは傷を付けたくないから無茶は出来ないです。

2020/07/22 追記

調達した中古ペグのボタンを外すことに成功。朝のうちに強力な浸透潤滑剤を塗布しておいたお陰かOCERGペグよりは時間を要さずに6ヶ全部外れました。

ばらしたOCERGペグパーツは水洗い+サンポールで錆と汚れとグリスを落とします。綺麗になったら水置換+フッ素配合の防錆潤滑剤を噴射して錆止め&フッ素皮膜を形成させました。

Before 掃除前
After 掃除後

錆は完全には落としきれませんでしたが、ニッケルの適度にくたびれた感じが出て良い雰囲気です。年代物の中古ギターにピカピカのパーツは似合いませんし。

ロトマチックと違いギア部が密閉されないので柔らかいグリスをタップリ塗布しちゃうと漏れてくる可能性がありそうです。ギアを動かしながら粘度が高めのグリススプレーを少しずつ吹いておきました。
ネックのメンテが終わるまではこの状態で保管しておこうと思います。

手配していた欠品パーツが少しずつ揃ってきたので本格的にメンテし行こうと思います。週末の連休で終わるといいなぁ。

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