アリアプロ2 Magnaシリーズを買ってみた

Aria ProⅡ MAGNA SERIES

買ってみた、というか入札して放置してたら落札してた、というオークションではよくある話。
加えて本体より送料の方が高いというのもよくある話。

昨今ではコピー製品用のサブブランドであるLegend(フェンダーコピー)やBlitz(ギブソンコピー)が有名なってしまい、場合によってはフォトジェニックやプレイテックと同列に並べられることもあるアリアプロ2(以下アリア)ですが、発売元である荒井貿易は1960年代からギターの販売をしてきた老舗の会社でして、中年のオッサン世代には非常に馴染みのあるブランドです。

そのアリアのかつての主力製品がマグナシリーズ。
数件のハードオフを巡回すれば1~2本は見つけることが出来て、ヤフオクでも毎週1~2本は必ず出品され、なおかつ軒並み1万円以下。音が出ないとか錆があるとかのちょっと訳ありだと3千円とか5千円で売られている中古安ギターの代表格です。

そんな安ギターのイメージが強いマグナですが、エントリー向けでなおかつロングセラーな商品なのでモデルチェンジが頻繁でラインナップも豊富。現在までに数え切れないほどのモデルが流通していて、中には10万円を超えるマツモク製のモデルも発売していたりして、その全貌はマニアでも把握できないのではと言われています。

そんなマグナシリーズも現在では生産しておらず、エントリー向けとしては前述したLegendとBlitzの両ブランドと、Aria pro2 ブランドでMAC-STDが販売されています。

お手頃価格ギターとしてはAE(アリア・エバーグリーン)シリーズやJetといった魅力的な商品もありますが、このブログで扱っている「安ギター」の範疇からは少しはみ出てしまいそうなお値段です。

Jetいいよね、Jet。機会があったら一度手に取ってみたいです。

HSHで4点止めのシンクロトレモロ

で、今回のコイツが目に留まったのもちょっと見たことが無いモデルだったからでありまして。

どの辺がと言われるとまずはHSHというPU配列でシンクロナイズドトレモロという部分。
フェルナンデスなんかだとHSHのシンクロトレモロはまだ見かけますが、マグナの場合の多くはSSH。
もちろんHSHもあることにはありますが、そのほとんどはレールハムだったりフロイドローズタイプのブリッジだったりで、純粋なHSHにシンクロトレモロというのはちょっと記憶に無くて私には新鮮に映りました。

加えてこのトレモロブリッジが4点止め、なおかつ本物か偽物か分かりませんがGOTOHのプレートが燦然と煌めいています。果たしてこの奇妙なブリッジはなんなのか?
他にも細かい部分ですがヘッドのストリングリテイナー(ガイド)がテレキャスやベースで使われる丸形の物が採用されています。これも珍しいよね。

というわけでコイツがどんなものなのか細部も見ていきます。

ヘッド裏とペグ

ヘッド裏にはシリアルや製造国の分かる印刷・刻印などは一切無し。ペグはゴールドで恐らく日本製では無い安いもの。アリアのロゴもありません。(後にバラしてみたところやはりGOTOHの刻印は無かったです)
ギア比は1:14でトルクはバラバラ、動きも渋いので一度オーバーホールの必要がありそうです。完全にバラしてグリスアップして組み直して、それでもダメそうなら交換ですな。

中古ギターのペグをオーバーホールしてみる

全体の中で最もくたびれていそうなのが指板とフレット

ネックはザッと見た感じではほぼ真っ直ぐ。指板には積年の汚れがこびり付いていて掃除のし甲斐がありそう。
フレットには両脇に緑色の錆汚れが付着していています。毎日弾いていたらこうはならないでしょうから長期間放置していたんでしょうか。
フレットの減り具合もなかなかのもので摺り合わせが必要なレベルです。ローポジションからハイポジションまでほぼ均等に減っているので、ギターとしてキチンと使われていたんじゃないかと想像しています。
我が家のギターは得意な特定のポジションばっかり減ってハイポジションは綺麗なままだからね。

ネックポケット

ネックポケットは「まぁこんなもんでしょ」といった感じ。というかつい先日までメイビスのテレキャスを弄ってたのでよほどの状態で無い限りは驚きません。
メイビスのネックポケットはそりゃ酷かったよ、イシバシ楽器さん。

昨今の安ギターと比べるとマトモ

トレモロスプリングは白錆が浮いていますが再利用できそう。
スプリングハンガーの固定ボルトもしっかり留まっていてねじ穴ガバガバなんてことは無いみたいです。

信頼のGマーク

で、スプリングを外してトレモロユニットを外してみるとプレート裏にGの刻印が。なんと本当にGOTOH製でした。
念には念を入れて4点止めのボルト穴の端から端までの寸法を測ってみると56mm。間違いなくGOTOHですな。

どれも同じように見えるトレモロブリッジですが、一般的なアジア製安ギターに載っているブリッジとGOTOH製ブリッジとでは6本のスタッド(ボルト)の間隔が異なります。
なので安ギターのブリッジをGOTOH製に変えようと思うとポン付けでは取り付けできません。スタッドの穴を埋めて空け直す必要が出てくるので結構な手間が掛かる作業となります。

一般的なアジア製トレモロブリッジと互換性があるのはフェンダーの製品なのですが、これもイナーシャブロックのサイズが厚く大きめのためボディが薄いギターだとはみ出してしまいますしフローティングが出来なくなったりもします。

そんな感じでトレモロブリッジの交換は結構ややこしくて面倒臭いので、出來の悪いブリッジが付いているものはギターを買う段階で敬遠しがちになってしまいます。


イナーシャブロックも見た目のイメージよりもずっしりと重くて、ユニット全体の重量は285gもありました。
最近のグレコの5万円クラスに載ってるGOTOH製ブリッジよりも良い造りです。このブリッジだけで元が取れたんじゃなかろうか。

各部を見る限り結構古めでそれほど高いグレードのモデルではなさそうですが、そんなモデルにGOTOH製のブリッジが載っているのが面白い。
GOTOH 108PV で検索してみましたが有用な情報は見つからず。

この辺を弄るのは不得意なんですがちょっとずつ覚えていきます

アンプに繋いでPUの通電チェックをしてみましたが特に問題は出ませんでした。ちょっとガリがあるくらい。
通電してると言うことは現状でも弦を張れば音は出るということなんですが、音が出る状態と弾ける状態はまた違うと思うので、これから少しずつ手を入れて最終的にはキチンと弾ける状態にしたいです。

ただし、せっかく安く購入できましたので、お金をかけたら負けというルールを課してなるべく安上がりになるように直してみようと思ってます。

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