たまたま運良くとはいえVOXのVT20+を直せてしまったことに気をよくして、またジャンクのギターアンプを買ってしまいました。お値段は昼飯2日分くらい。
マーシャル VS30Rというアンプについては別サイト様でどうぞ。
MarshallのMGシリーズが出る前の練習用アンプシリーズ。Leadシリーズ、VSシリーズ、Park、MGシリーズと続いている。
このVSシリーズは15~65wまであり、30wまでがトランジスタ、それ以上のw数のものはプリアンプにECC83を積んだハイブリッド型となる。
ソリッドステートアンプまとめ@ ウィキ
とりあえず音出しから
電源を入れて音を出してみました。ジャックや各ツマミにガリはなく、後日確認したところドライブチャンネルのボリュームポットに僅かなガリがあることに気がつきました。大きな音出せないから気がつかなかった。
リバーブも効いてます。スイッチの具合も良好で年代を感じさせない美品ですな、これは。
まずはドライブチャンネルから。30wのトランジスタアンプとはいえ、歪ませるとちゃんとマーシャルの音がします。モデリングアンプやマルチエフェクターでマーシャル風の音は聞いてきましたが、マーシャルアンプから出るマーシャルの音はソリッドステートでもやっぱ違うんだね。出来の悪い私の耳でもなんとなく分かります。
出力30wですがフルテンにすれば相当大きな音が出そうです。にもかかわらずボリュームを絞っても気持ちよく歪んでくれるのが自宅使いとしてはとても嬉しい。
ドライブのEQはBASSとTREBLE、その間にCONTOURという見慣れぬ名前のツマミがあります。
ちょっとググってみるとマーシャルアンプではよく見かけるツマミらしいのですが、なんせマーシャルなんて高級品はずっと昔に練習スタジオで使ったことがあるくらいで、私物として所有するのは初めてなものですから「なんだこれは」と戸惑いました。
クリーンでも少し弾いてみましたがクリーンはクリーンでとてもいいです。明日はエフェクター繋いでみよう。
まだ短時間の使用ですが実際に使ってみるとこのアンプが評判良い理由が分かります。
これからギターを始めようとする人がこのアンプを使って練習したら、きっと上達も早いんだろうなぁ。さぁ練習しよう!という気になるもの。
とはいえ発売当時の定価は39800円らしいので、スタートからいきなりこのクラスのアンプには手が出んわなぁ。
そう考えると10000円前後の現在の中古相場価格はお買い得なのかもしれません。
さて、一通り弄ってみましたが、文頭で書きましたようにジャンクなんですよ、このアンプ。ジャンクの理由は「音は出ますがノイズが乗ります」ということらしいです。
なるほど、確かにノイズは出てます。でもごく僅かです。TREBLEを上げていくと耳障りですが12時くらいならあまり気になりません。
というかこのサーッと聞こえる僅かな音はノイズじゃ無いんじゃないかろうか。
仮にこれがノイズだとしたら我が家のアンプは全部ジャンクです。これくらいの音はボリューム上げれば出るでしょ、普通。
なので修理の必要は感じませんし、このまま使っていこうと思います。
症状発生!直してみます
ジャンクと聞いてたけど全然問題無くて良い買い物だったなぁ、なんて思っていたら症状が出ましたよ!
スイッチオン!で結構大きめなノイズが発生。クリーン/ドライブともに症状が出ます。ジャックを刺しても抜いても変わらずにノイズが出続けます。
ボリュームに連動してノイズが大きくなります。他のノブを触っても大きくなったり音質が変わったりはしません。
何度かスイッチをON/OFFするも改善せず。2日前までは問題なかったのにどういうことでしょう。正直なところよく分からんです。
とりあえずバラしてみますが、バラしたところでどうにか出来るとはこの時点では思っていません。
古いアンプということで最も疑われるべき電解コンデンサですが、目視の限りでは異常無さそうです。膨らんでいたりパンクしていたりという事態も覚悟していたんですが現状でその心配は無いみたいです。
となるとノイズの原因はなんでしょうね?
と考えながらいくつものコードを引っこ抜いて基盤を裏返してみます。
すると汚いんですよ。画像に写っている部分だけでなく、基盤全体にこの汚れが付着しています。
コンデンサの液漏れにしては汚れているのは反対側の面ですし、そもそもコンデンサは無事ですし。
白っぽい色から推測するに、はんだペーストでしょうか?よく分からん。
汚れの正体が何にしろ、これだけ付着していれば何らかの影響を及ぼしているかもしれませんから掃除します。
試しにアルコールを付けた綿棒で擦ってみましたが、汚れ落ちはイマイチです。
綿棒なので全体を掃除するには作業範囲が狭く時間がかかりそう。
というわけで、接点洗浄剤を直接吹き付けて掃除してしまいました。あっという間に綺麗さっぱりです。
ちなみに、接点洗浄剤と接点復活剤は別物です。復活剤で同じ事をやってしまうと汚れが落ちないばかりか、ベトベトになって最悪取り返しが付かなくなりますのでご注意を。
この辺をごっちゃにして説明しているサイトや動画が多くて二次被害を産んでますので、用途に合った物を選んでお使いください。
汚れを落としてすぐに乾き、乾いた後に何も残さないのが接点洗浄剤
汚れを落とした後に接点をオイル成分で保護し伝導性を高めるのが接点復活剤
入手しやすく知名度の高いクレ製品で例を挙げると
エレクトロニッククリーナー/クイックドライクリーナー、この2つは接点洗浄剤です。
販路が違うため製品名やデザインを変えてますが中身は同じらしいです。ノア/ヴォクシー/エスクァイア、トヨタ車みたいなもんですな。
コンタクトスプレー/接点復活スプレー、この2つが接点復活剤。確認はしていませんがこちらも恐らく中身は同じだと思います。
接点復活剤は導電性のある油分が残りますので、プリント基板の掃除に使うには都合が悪いです。なので今回はすぐに乾いて何も残らない接点洗浄剤を用いました。
ちなみに私が最近になって愛用している接点洗浄剤はこちら。ちょっとお高いけど効果は抜群
昨今はスマホ・PCの充電端子やイヤホン端子、デジカメなどのSDスロットなど、接点不良で動作異常を起こす機会も増えました。家庭用に接点洗浄・復活剤を揃えておくと便利なのかもしれません。
話が逸れました。
接点洗浄剤をブシューッと吹きかけて汚れを落として乾くまで暫し放置。ついでに各所の接続端子も接点洗浄剤で掃除して組み直したところノイズは見事に消えました。
あまりにもあっけない展開で拍子抜けしましたが簡単に直って良かったです。
ただ、直ったと見せかけてまたしばらくしたら症状再発、なんてことも十分考えられますのでもう数日間様子を見ようと思います。