出かけた先でちょっと時間が余ったので「夏だしアロハシャツでも買おうかな」とリサイクルショップへ立ち寄ったんです。
で、十数分後にこのギターを持ってお店から出てきたという次第。
正直なところ店頭ではこれがどんなギターかは判断できていません。プライスには「81年頃のモデル」と書かれていたんですが、81年ってこういったSSHのストラト作ってたっけ?
JAPANビンテージとして取り上げられる80年代初めのモデルと比べるとロゴの書体も異なるようだし、この説明書きはちょっと怪しい。
手に取ってみるととても軽くて高級では無さそう。目視の範囲でネックは微妙に順反り、捻れ・ハイ起きはナシ。フレットの残りは十分、パーツ欠品ナシ。傷や打痕は当然ありますが致命的なダメージは見当たらず。気になるのは12フレットの1弦側の指板が少しえぐれているくらい。
そのくらいのチェックのみで音も出さずに買ってしまいました。だって安かったんですもの。
グレコのこのてのタイプのギター(ストラト・スーパーストラト系)はヘッドのロゴの横に短い英文が書かれています。現行のモデルでは「Supreme Sound Buster」と書かれていますし、過去に所有していたギターには「Spirit of The Live」なんて書かれていました。
そして今回購入したギターには「destination of rock addict」と書かれています。
恐らくその時々のキャッチフレーズなのでしょうが、グレコの場合この英文があることでちょっと古めの安い中古ギターでもおおよその製造年代が分かります。帰宅してから調べてみたところどうやら1994年前後くらいのモデルであることが判明。1994年のカタログに載っているGP-330で合っているんじゃないかと思い始めました。仮にGP-330だとすると、ボディはOCERGと同じウッドファイバーでしょうか。まぁ当時の新品価格が3万円台のいわゆる入門用安ギターですな。
とはいえ、中国で大量生産が始まる以前の、昔の日本メーカーの安ギターはなかなか作りが良いってことはOCERGで身を持って経験済みです。
このギターも値段から受けるイメージよりはずっと良いものなんじゃないか?と帰宅後に隅々まで眺めながら考えています。
中古ギターを購入したらまずはバラす、というのがモットーなので今回もバラしてみます。
ナット幅は40mmでした。グレコ、40mm、とくれば成毛滋ですな、懐かしい。ミディアムスケールだったら完璧だったのに。
これで私の手元には40mmナットのグレコが3本揃うことになりました。
40mmナットって溝切り済みのリプレイス品が売られていないんだよね。ついにナットファイルを買うタイミングが訪れたのかしら。
ちなみに、グレコは現在でもナット幅40mmのギターを販売しています。実は私も1本持っているのですがなかなかなイイですよ。なんとこのお値段で日本製です。グレコですから製造はダイナ楽器でしょうか。
ペグは「カバードペグ」と呼ぶのでしょうか?
形が亀じゃないけど亀ペグでもいいのかな?
とにかく安ギターで定番のヤツです、遊びはあるけど動きはスムーズ。ギア比は1:14でした。
これはロトマチックに変えたいけど、それにはペグ穴を拡げる必要があるので面倒。かといってこのヘッドにクルーソンペグじゃ似合わないよねぇ。
ブリッジはご覧の通り。サドルはダイキャスト製ですな。
サドルの幅(弦間)は10.5mmと一般的なアジアサイズ。ブリッジはGOTOH製か?と期待していたのですが残念ながら違いました。
GOTOHではありませんでしたが、バックプレートを外すとご覧の通りの分厚いブロックがお目見えしました。スチールでは無くダイキャスト製ですが、ブリッジを外してみるとなかなかの重さ。量ってみるとブリッジ全体で291グラムもありました(アームは除く)
OCERGの時にも書きましたが、トレモロブリッジを外したときは重量も量るようにしています。重ければ良いってものでも無いのでしょうが、一つの目安にはなるんじゃないかと思いまして。
ある程度データが蓄積できたら公開したいと思っています。
ネックジョイント部はプレートが使われていません。
ボディ側の穴がキチンと広めに空けられていて、昨今の安ギターとは細部の作りが違うのが分かります。
ボルトオンの恐ろしい事実
某ギターメーカー社長室 より引用
ネックセットネジを外してボディーの穴はネジが”スポスポ通る”状態でなければネックとボディーはしっかりと固定されません。
ネック裏とネックポケットを見てみると GPM-1 なるスタンプを発見。これがこのギターのモデル名でしょうか?
ググってみるとこのギターと同じようなギターがいくつかヒットします。全く同じギターもあれば細部が少し異なるギターもあるようで、やはり MADE IN JAPAN のモデルもあるみたい。
このギターが日本製かどうかは定かではありませんが、低価格帯のモデルもまだ国内で生産してた時代のモデルであろうことは分かりました。仮に91年製だとバブルが絶頂に達したくらい、94年だとバブルが崩壊して間もない頃でしょうか。いずれにせよオッサンの私が20代だった頃。懐かしいです。
とりあえず今日はここまで。ピックアップなど電装関係のバラしはまた時間があるときに作業したいと思います。
2022/02/20 追記
後々になって9F以降のフレットが軽く浮き始めていることが判明。僅かにですが出音にも影響が出ているようです。これは近い将来にリフレットするしかないな。