中古ギターの指板・フレットのメンテナンス Mavis テレキャスター編

以前の記事でピックガードを交換したMavisのテレキャスですが、今回は指板のメンテとフレット磨きを行いたいと思います。

必要なアイテムや手順はその都度紹介していくとして、早速始めます。

手順1、スチールウールで汚れを落とす

まずは適度なサイズに切ったスチールウールでフレットを磨いていきます。磨くというより汚れや錆を落としていく感じ。
磨いているウチに屑や鉄粉が出てきます。と同時に少しずつ小さくなっていきます。屑や鉄粉は吸い込むと身体に悪そうなので掃除機を用意してからだと安心です。

使用しているスチールウールは#0000です。これより荒いものだと汚れ・錆落としの効果は良くなりますが磨き傷が付いてしまいます。この磨き傷を落とすのが後々面倒になるので#0000を使っています。

#0000のスチールウールがどこの家庭にもあるわけではないと思いますので、手元にスチールウールがなければこの手順は飛ばして次の手順に進んでしまいます。海外だとギターのメンテにスチールウールは定番らしいのですが、日本の楽器屋さんでメンテ用にスチールウールを取り揃えてるお店はほとんど無いよね。

また、今回は指板に付いた汚れも落としたいので指板を保護していませんが、未塗装の指板をゴシゴシするのに抵抗がある方や塗装されたメイプル指板の場合はマスキングテープを貼って指板を保護してからスチールウールを使用します。

ニッケルメッキの艶出しやボディの傷落としにも使えますが、メッキや塗装に状態によっては逆効果となりますので目立たない場所で試してからからが安全です。
ゴールドパーツ(真鍮メッキ)使わない方が良いと思います(メッキが剥げる可能性があります)

スチールウールで指板とフレットを磨く前後の比較です。フレットはそもそも錆も汚れもなかったのであまり変化は見られませんが、指板の方は磨く前にあった艶(テカり)が磨いた後では無くなっています。

「イイ感じ」と思っていた艶は実は長年の間に溜まった手垢などの汚れだったんですな。
まぁビンテージギターならこれはこれで味になりますが、今回は安物テレキャスターですから汚れはシッカリと落としてしまいます。

手順2、液体コンパウンドでフレット磨き

新品のギターを買った直後などによくあるのですが、フレットはおニューでピカピカなのにチョーキングをするとザラザラする感触があったりします。
ピカピカであっても滑らかであると限らないわけでして、今回のメンテでもスチールウールによってフレットはピカピカなんですが、もしかしたら表面はザラついているかもしれません。

というわけでフレットを液体コンパウンドで磨いていきます。

まずはマスキングテープで指板を保護していきます。
スチールウールでは指板を直接磨きましたが、液体コンパウンドの多くは灯油を含んでいますから未塗装の指板に直接塗るのはちょっとイヤです。

マスキングテープは100均の文房具売り場で売っているもので十分です。ホムセンの塗装関係の売り場にも置いていますが、値段の高いプロユースのものは粘着力が強すぎたりするので1巻き100円前後の安いもので十分。


今回は特別な理由があって(後述します)クルマの傷消しなどに使うコンパウンドセットを用意しましたが、普段はピカール液を使っています。ピカール液も番手は3000番くらいらしいのでフレット磨きにはピカールで十分です。

ピカール液(液体コンパウンド)を乾いたウエスに少量付けてフレットを磨いていきます。単純な作業ですが1Fから21F(22F・24F)までをシッカリ磨くと結構な手間になります。
でもこういった手間の掛かるメンテをすることでギターに対する愛着が増すんだよね。

手順3、指板にオイルを塗布

全てのフレットを磨き終えたらマスキングテープを剥がし、指板にオイルを塗って乾燥から保護します。

最近愛用しているのはフェルナンデスの424という指板オイル。西洋杉から抽出したオイルを配合しているという謳い文句で、木の香りが漂います。今回はこれを塗りますが手持ちの指板オイルなら別にどれでも良いです。

画像は悪い例です。面倒くさがりな私はいつもオイルを指板に直接数滴落としてから、その数滴をウエスに含ませて拭いています。画像に写っている数滴で指板全体を拭いてしまう感じです。

ですが、本当は指板に直接オイルを落とすのではなく、ウエスに染みこませてから拭いていくのが正しい方法なんだそうです。でもそれだと何滴使ったか分からないことがあるのよね。

指板全体にオイルを行き渡らせたら暫く待ちます。
「暫く」は指板の状態によって5分の時もあれば半日の時もありますが、まぁ染みこむまでちょっと待てば良いんじゃないでしょか。
ちなみにギブソンのサイトでは「5分待て」となってます。
https://gibson.jp/support/tech-tips/smooth-frettin

暫く待って指板にオイルが浸透したかなと感じたら乾いたウエスで余分なオイルを拭き取ります。
私の場合、拭き取るほどの余分なオイルが残って無いように感じたら追いオイルをしてまた暫く待ちます。が、まぁその辺は適当で良いんじゃ無いでしょうか。

オイル添付直後の指板の様子です(乾拭き済み)。スチールウール直後で失われていた艶が復活してますな。

手順4、ネックの清掃

指板・フレットと表側はキレイになったのでついでに裏側も手を入れておきます。

ネックは常に手が触れている部分ですから汚れも付着しやすいです。手元にある適当なクリーナー・ポリッシュ・汚れ落としを使って汚れを落としておきましょう。

が、今回はあまり汚れが無かったので艶出しを兼ねてコンディショナーを添付しておきます。

DR.DUCK’S の  AX WAX & STRING LUBE です。
商品名はワックスとなってますがワックスは含んでおらず、純粋なオイルのようです。

適当なウエスに数滴落として(画像は自作のメンテ用スポンジ)ネックの裏を拭いてあげます。

ちなみに、このDR.DUCK’S の  AX WAX & STRING LUBE は名前の通りSTRING LUB = 弦の潤滑剤としても使えるものでして、画像のスポンジに数滴垂らして弦の上を拭いてあげるとフィンガーイーズのような役割を果たしてくれます。

フィンガーイーズほどの潤滑性は望めませんが、サラッとした天然のオイルで指板にも使えますし、金属保護の効果もあるのでフレットについても問題なし。弦の寿命も延びるかも。

使いすぎると指板に悪影響が有るとか無いとか囁かれているフィンガーイーズよりも使いやすいかもしれません。

ただし汚れを落とす効果は見込めません。今回のようなネックの裏やボディの艶出しにも使えますが汚れは落とさないので、先に汚れを落としておく必要があります。(汚れを落とさずに使うと逆に汚れごと保護してしまいかねません)

売ります

といったわけでメンテナンス終了です。

で、いつもだったら「メンテしました」くらいでサラッと流してしまう内容なのに、今回に限って画像をたっぷり使って記事にした理由はと言いますと

このギター売ります。
ボディ側のメンテや清掃をして準備が出来たらメルカリ or PayPayフリマに出品させて頂きます。

手放す理由は簡単で「先日スクワイヤーを買ってしまったから」です。
「ギターは10本まで」と自分で決めているのでどれか一つを手放すことにしました。そこであまり弾いていないこれを手放そうかと。
Mavisとはいえテレキャスですから需要は有るんじゃないかと思うんですよ。

そういうわけで、いずれは誰かの手に渡るということを考えると、スチールウールや3000番/7500番/9800番の液体コンパウンドを駆使してシッカリと磨いておきたかったわけです。

ナットやブリッジ、サドルにピックガードまで換えているのでお値段が付けにくいのですが、送料込みで4桁には抑えたいと思っていますので出品しましたらよろしくお願い致します。

ついでに売ります

ついでなんですが、今回使用したスチールウールや指板オイルなどをセットにしたものを「指板・フレットメンテナンスセット」としてメルカリに出品させて頂きます。

ギター関係のケミカルや消耗品って一度買ったら10年は使えるくらいの量が入っていません?
たくさん入って安いなら良いんですが、1本1000円とか当たり前にしますから興味があっても簡単には買えませんよね。

というわけで、私が今回使用したケミカル類を小分けにしてお裾分けさせて頂きます。

内容は以下の通り

  1. スチールウール #0000 7cm×30cm×1cm
  2. ペーパーウエス(紙製の破れにくいウエス)× 5枚
  3. DR.DUCK’S AX WAX & STRING LUBE × 5ml
  4. 自作スポンジ(DR.DUCK’Sを弦に塗るためのもの)× 1枚
  5. フェルナンデス指板オイル 424 × 5ml
  6. ピカール液 × 13ml

小分けなのでそれぞれ少量ずつとなりますが、メンテナンス3回(ギター3本)分くらいは余裕で出来る分量だと思います。

お値段は有名どころの弦1セットと同じくらいを予定していますので宜しければご購入ください。
よろしくお願い致します。

メルカリ出品ページ

私は気まぐれなので「イイ!」と思うものが見つかったらセット内容を変更する場合があります。

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