安いギターストラップを比較してみる(ギターストラップコレクション2)

ストラップコレクションシリーズの第2回目です。タイトルではギターストラップとなっていますが当然ながらベースにも使えます。

今回は初心者の方が最初の1本として検討することが多いであろう低価格で手に入るストラップをメインに紹介すると同時に各製品を比較してみたいと思います。

画像をご覧いただけばお分かりのように全部自分で所有している物ばかりです。実物を手にとって書いていますので、メーカーや販売サイトの謳い文句をコピペしただけの利益目的のレビュー記事とは異なります。
記載されている内容は独断と偏見に満ちていますのでご了承下さい。

なお、「なんで使いもしないのにこんなにストラップ持ってるの?」という疑問質問に関するお答えは第1回目の記事に記述していますのでそちらをお読み下さい。

ラインナップ紹介

早速ですが今回のラインナップをご紹介します。

お店の値付けにもよりますがほとんどの場合で1000円前後のお値段で売られているストラップばかりです。本当は更に数アイテム揃えてからこの記事を書きたかったのですが、入手に手間取りそうなので残りは別の機会に回します。

ERNIE BALL アーニーボールPOLYPRO STRAP ポリプロストラップ

お安いストラップといえばやはりアーニーボールでしょう。
私のようなオッサンがまだ学生だった頃から既に安いストラップの代名詞的存在でした。いわゆるロングセラーです。

今回は低価格のストラップを比較するという趣旨なので、比較の基準としてもこのアーニーボールを用いたいと思います。

この画像の左2つ、茶色いストラップと黒いストラップがアーニーボールです。
アーニーボールのストラップの特徴はベルト部分とエンド部分の縫い付け方でしょうか。ERNIE BALL の箔押しロゴを囲むように四角くミシンが掛けられています。
丁寧ではありませんがシッカリとした縫製で、これだけ縫い付けてあれば解れることはないでしょう。

エンド部分は本革で厚みはそれほどありません。柔らかめの革なので新品状態でもストラップピンへの取り付けに困ることは無さそうですが、経年で穴が拡がりやすそうな印象です。
まぁ、お安いので穴が拡がったら買い換えちゃえばいいのでしょうが。

アーニーボールのストラップは長さが長め、なんて話も良く聞きますが、私の手元に有る2本はエンドを除いたベルト部分の長さが最短で84cmと79cmでした。同じ製品のはずなのに2つを比べると長さが違います。
「一番短くしても長すぎる」なんてレビューもありますので、もしかしたら年代やロットによって長さが異なるものがあるのかもしれませんね。

お値段は色によってバラツキがありますがアマゾンだとだいたい1000円前後、サウンドハウスだともっとお安い値段で売られています(2021/02/11時点)

Amazonで価格確認 / サウンドハウスで価格確認

余談ですがアーニーボールのストラップといえばクラプトンですな。1987年のプリンス・トラストの映像でもレスポールとマッチしたアーニーボールの赤いストラップが確認できます。

しかし、エルトン・ジョンに呼び込まれるジョージ・ハリスン&リンゴ・スター&ジェフ・リンに加え、バックにフィル・コリンズ、マーク・キング、ジュールズ・ホランド、クラプトンとはさすがはプリンストラスト、豪華なメンバーですなぁ。いつものように大暴れするレイ・クーパーまでちゃんと映っているのが個人的にはとても嬉しい。大好きなんですレイ・クーパー。

ちなみに、このステージでジョージが弾いているのが80年代前半の日本(フジゲン)製のスクワイヤーというのは有名なお話。

D’Addario ダダリオ Poly-Pro Guitar Strap

アーニーボールに続けるとしたらダダリオですかね。この画像の右側、青いストラップがダダリオのストラップです。

アーニーと比べるとデザインが異なりますね。革のエンド部分が丸みを帯びていて長さ調整のバックルのデザインも少しだけ凝ってます。

縫製や裁断はアーニーボールと同様に丁寧ではありませんがシッカリしています。本革製のエンド部分はアーニーよりも若干ですが厚みがある感じ。若干なので耐久性に影響が出るほどでは無いかもしれません。

ベルト部分の長さは最短で70cm。アーニーと同じでポリプロピレン製のベルトですが、質感はダダリオの方が若干硬めの感じです。
とはいえ、両方を手に持って「そう思わない?」と言われて初めて「そう思うかも」という程度の違いですが。

アーニーとそれほど変わらないならアーニーでいいじゃん!
と言うのも間違いでは無いですが、アーニーには無い色がダダリオではあったりするので好みの色があるならダダリオでもいいじゃん!となります。

お値段はアマゾンだと1000円以下で売られています(記事執筆時点)

Levy’s ポリプロピレン ストラップM8POLY

画像左側の黄色いストラップがLevy’s M8POLYです。

Levy’s (レヴィース)はカナダのメーカーで楽器のストラップを専門に作っているメーカーだそうです。鞄や洋服などにも用いられる上質なレザーを使った高級ストラップも作っていて、内外のミュージシャンにも愛好家が多いんだとか。
日本での代理店は山野楽器だそうです。そう聞くだけで高級そうだよね。

そんなブランドのラインナップの中で最もお手軽なストラップがM8POLY。
ポリ、の名称でお分かりのように前述のアーニーやダダリオと同じくポリプロピレン製のストラップです。

他と違うのはエンドの部分が革では無くてビニール、ポリエステルであると言うこと。そのせいかメーカーサイトに記載されている価格(定価?)が880円と格安の値段設定になっています。

格安とはいえ造りは安っぽくありません、エンド部分のビニールは3層構造となっていて、間にはクッション性のある柔らかい芯材が挟まれています。そのお陰か手触りが良く本革とは異なる魅力があります。
ビニール製なのでストラップピンを通す穴も耐久性が高そうで、革にこだわらないのであればこれはこれでアリかもしれません。3層構造で厚みがあるのでストラップピンを通すのは苦労しそうな印象ですが一度付けた付けっぱなしという使い方なら革製よりも外れにくそうです。
エンドの裁断部分の処理が甘いので繊維が毛羽立ちます。そこがちょっと残念。

ベルト部分の長さは最短で76cm、ベルト部分の質感はダダリオとよく似ています。

お値段は色によって異なりますがアマゾンで1000円以内です。

Perris Leathers AWS ギターストラップ

画像中央のグレーのストラップがPerris Leathers AWS ストラップです。

Perris Leathersは前述のLevy’sと同じくカナダのメーカー。こちらも高級な本革ストラップを作っているのですが、ビートルズやピンクフロイドなど有名バンドとのコラボストラップなんかも作っているみたいで、Levy’sよりもポップでキャッチーなアイテムが揃っている印象です。

また、ギターストラップ以外にもピックやギターケースなどのアクセサリーも作っている模様。

そんなPerris Leathersの最安ラインのストラップを手に取って見ていきますが、特に特徴のようなものはありません。

エンド部分はLevy’sとおなじでビニールです。ビニールなんですがLevy’sと比べると造りは簡素で厚みはダダリオの1枚革と変わらないくらいの薄さ。

ベルト部分もごく普通、長さは最短で70cmと他と比べるとちょっと短め。

お値段は色によって異なります。嘘みたいに安い時(色)もあれば嘘みたいに高い時(色)もありますが、これはセラーの在庫によって値段が変わるアマゾンあるある。

販売ページには「MADA IN カナダ」とありますが、「んなこたぁない」。製品のタグには誇らしげに「MADE IN CHINA」と記載されています。

ベージュとかライトブルーとか他では無い色が気に入れば買ってもいいかも。黒とかのベーシックなカラーであればLevy’sを選ぶかな。

LIVE LINE ライブライン ポリプロピレンギターストラップ

画像右側の赤いストラップがLIVE LINE ライブライン ポリプロピレンギターストラップです。

LIVE LINEはストラップ以外に高級ケーブルでも有名な日本のメーカー。ストラップにしろケーブルにしろ日本製に拘った良質なアイテムをリリースしています。

LIVE LINE のストラップはデザインや素材のバリエーションが豊富で、私もいくつかコレクションしています。それらを全部お披露目して自慢したいところではありますが、それでは今回の趣旨と外れてしまいますので、他メーカーと同じくポリプロピレン製のシンプルなストラップを紹介して比べてみます。

エンド部分は本革で厚さはダダリオと同じくらい。縫製や裁断は日本製だけあって丁寧でシッカリしています。今回比べた中で断面を処理してあるのはライブラインだけでした。

ベルト部分は他よりも若干厚みがあって編み目も大きめな感じ。その分だけ硬めというかごわつきを感じるかもしれません。
ベルトの長さは最短で65cmでした。

お値段は平均すると1300円くらいでしょうか。タイミングによって1000円以下になる色もあるので好みの色が安くなっていれば買いじゃないでしょうか。

ROTOSOUND/ロトサウンド WEBBING STRAPS

画像左がROTOSOUND/ロトサウンドWEBBING STRAPSです。

サウンドハウスやアマゾンで安売りされていたストラップ。他に弦も売っています。というかギター・ベース弦の方が有名です。
公式サイトの年表では1950年代から載っていますので結構歴史あるメーカーのようです。

エンド部分は合皮(ビニール)でベルトの長さは最短で63cm。
お値段の割りに造りは悪くありませんので普段の練習なんかで使うには十分なクオリティでは無いでしょうか。
とはいえ最近は国内での販売に力を入れていないのかカラーバリエーションは期待できません。

サウンドハウスで価格確認

PLAYTECH ( プレイテック ) / Nylon Strap 

画像中央がプレイテックのストラップ。

サウンドハウスのオリジナルブランド、プレイテックのストラップです。
安ギターとして有名なプレイテックですからストラップも激安です。

エンド部分は意外なことに革製です。しかも厚めの1枚革を貼り合わせて穴の周囲を縫ってあるのでストラップピンの穴の強度も十分。

ベルト部分の長さは最短で65cm。縫製も悪くはありません。

お値段を考えると驚異的なコスパです。これでカラバリが増えてくれれば申し分ないのですが、そうするとお値段上がっちゃうか?

なんでもいいからストラップ買わなきゃ、という場合はこれで十分です。

サウンドハウスで価格確認

Ibaneze ストラップ

番外編です。

ハードオフとかでよく見かけるのでリストアップしました。アイバニーズのストラップです。

エンド部分は合皮(ビニール)ですが分厚くてシッカリしています。ガシガシ乱雑に使っても大丈夫そう。

ベルトは最短で70cm。Ibanezの白いロゴ入り。

中古で安く売ってたら買っときましょう。

結論、どれがいいのか?

正直言って1000円前後の価格帯のストラップに大差は無い気がします。気に入った色や柄があればそれを買えばいいんじゃ無いでしょうか。

最近はお隣の大陸から数多の商品が押し寄せてきています。ギターストラップに於いても魅力的なデザインの商品が1000円前後のお値段で売られていたりします。アマゾンなんかはそういった商品に占拠されていますし、LIVE LINEの公式サイトにも「模倣品に注意」的な案内が出ていました。

その辺を選択肢に入れるか否かは個々のご判断なのでしょうが、個人的には少なくともギターや音楽に関係したアイテムを販売している実績を持ったメーカーの物をお勧めします。

アマゾンで粗悪品の見分け方が分からない場合は説明文をチェック。文法的に日本語がおかしかったりするのですぐに分かります。中国メーカーの製品が悪いとは言いませんが、せめて日本法人を立ち上げていたり日本の代理店を通しているメーカーの物を選んだ方がいいです。

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