ドレミファソラシドの並び方

ギターを持たずに、ギターを買う前から始められるギターの練習です。練習というか知識です。

ドレミファソラシドの並びは等間隔ではない

ピアノの鍵盤を思い出してください。

「この白鍵だけのイラストに黒鍵を書き足してみて」と言われて即座に書き足せるでしょうか?ドレミファソラシドの音名を書き足せるでしょうか?
記憶を頼りに書き足すのではなく、他人に説明しながら書き足せるでしょうか?

「そんなの簡単」という方はもうこれ以上お読みいただく必要はありません。読む必要が無いことはすでにご理解いただいているはず。

「なにそれ?どういうこと?」いう方は是非ともこの機会に知っておいてください。
後からでも知ることは出来ますが、コレを知ってからギターを始めるのと、知らずにギターを始めて後から知るのとでは半年後、1年後のギターの上達具合に差が出ます。

これが黒鍵を書き足した鍵盤です。
白鍵が隙間無く並んでいるのに対して、黒鍵は一列にずらっと並ぶのでは無く、途中で間隔が空いている箇所があります。

なぜ黒鍵と黒鍵の間に隙間が空く箇所があるのでしょうか?

白鍵に音名を書いてみました。

ドとレの間には黒鍵があります。この黒鍵を叩くとドの半音上でレの半音下の音がでます、つまりドとレの間には中間の音が存在するわけです。

レとミの間にも黒鍵がありますから、レとミの間にも中間の音が存在することになります。

ドレミファソラシド、と並べると「ドとレ」「レとミ」は隣り合っているように見えますが、実際の隣は黒鍵の音であって白鍵同士(ドとレ、レとミ)は1個飛ばしの関係性になるわけです。

そう考えながら鍵盤を見ていくと、白鍵と白鍵の間に黒鍵が存在しない場所があることに気付きます。
「ミとファ」「シとド」の部分ですね。

黒鍵が無くて白鍵同士が隣り合っているということは、「ミとファ」「シとド」の間には中間の音が存在しないということになります。

分かりやすいように階段に例えてみます。

家の階段でも会社の階段でも駅の階段でもどこでもいいです。階段を上ることを想像してみてください。

ドの段から階段を上っていきます。足取りも軽やかに一段抜かしで「ドレミ」と上っていくと「ファソラシド」とは続かなくなってしまいます。なぜなら「ミとファ」「シとド」の段は一段抜かしではなくて隣同士だからです。

何も考えずに「ドレミファソラシド♪」と口ずさんでいると、低いドから高いドまで一定間隔で音が並んでいるように思えてしまいますが、実際には1段抜かしの音同士もあれば、隣り合っている音同士もあるわけです。

これからギターを始めようという方は是非ともこのことを覚えてください。

「1個飛ばし、1段抜かし」の音の関係を全音、隣り合う音同士の関係性を半音と呼ぶことから、「全・全・半・全・全・全・半」といった覚え方をすることが多いですが、覚えることが目的ですのでその手段である覚え方はどうでもいいです。

「ミとファ」「シとド」は隣同士、それ以外は一個飛ばし

覚えるのはこれだけです。

余談

日本語の仮名文字を覚える五十音というものがあります。「あいうえおかきくけこ~」というやつです。

人間は生まれてから成長するにつれて言葉を覚えて喋るようになりますが、喋る前に五十音を覚えるわけではありません。喋れるようになってある程度の読み書きも覚えてから五十音を習います。

なので五十音を知らなくても日本語は喋れます、しりとりや早口言葉など言葉遊びは五十音を知らなくても楽しめます。自分の名前や簡単な単語などの仮名文字を書くことも出来ます。
ですが五十音を知らないと母音だとか子音だとか、そういった部分を理解するのが難しくなってしまいます。日本語の理解を深めるという部分で五十音は必要とされるわけです。

ドレミ音階も同じです。知らなくてもギターは弾けます。U-FRETを見ながら弾き語りをしたり、TAB譜を見ながらギターソロを弾く事も出来ます。
ですが、ドレミの音階を知らないと自分が何をやっているのか考えながら弾くことが出来ません。書いてあることを見たままなぞるだけではいつか飽きてしまいます。

ギターを弾くという行為を「音楽」というもっと広い世界の中で楽しむためには音楽の基礎である「ドレミファソシド」を理解しておく必要があるわけです。

縁あって「ギター弾けます!」という高校生とお話しする機会があります。今時の子供は様々な情報に触れて吸収する機会に恵まれていますから、私が高校生だった頃と比べると実に多くの知識と技術を持っていたりして感心させられてしまいます。

ところが、そういう子たちの中にもドレミファソラシドの音階を知らない子が結構います。

指板上でのスケールは知っているのでしょう、「ドレミファソラシドを弾いてみて」とお願いすると6弦7Fから始めて5・4弦を使って弾いてくれます。
ところが「2弦だけでドレミファソラシドを弾いてみて」というと固まってしまうんです。

「2弦1Fがドの音だよ」と教えると音を探しながら、間違えながら13Fまで辿り着きます。

私なんかよりもずっと指が動くんですよ
私なんかよりもずっと脳みそが柔らかいんですよ
私なんかよりもずっと明るい未来が待っているはずなんですよ

なのに勿体ないじゃないですか。

昔はギターを始めようと思ったら本屋さんで本を買って勉強していましたが、現在ではスマホを手に取るだけで無料で様々な情報が手に入ります。
「ギター初心者向け」と題を付けた文章だったり動画だったりが見放題です。

そういったサイトや動画をUPされている方には頭が下がりますが、願わくばドレミファソラシドなど知ってて当たり前のことを敢えて取り上げていただきたいです。

コードの押さえ方も大事です、TAB譜の読み方も大事です。スケールや度数も必要でしょう。
でもそれは初級者~中級者の段階で少しずつ覚えていけばいいことです。

初心者にはもっと基礎的な知っておきたいことがあるはず。それを知らずに初級者~中級者になってしまうと大きな壁にぶつかってしまいます。

壁の正体はドレミファソラシドというなんてことない壁なんですが、ぶつかっている本人には壁の正体が分かりません。正体が分からないから乗り越えようが無いんですよ。

最初に覚えておけば簡単に乗り越えられた壁。その壁に躓いてギターから離れてしまうのは勿体ないじゃないですか。

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